まだ朝晩は寒いですね。風邪に気を付けましょう。
さて、今回は猫の尿管閉塞の子です。2日前に他院で尿管の異常を指摘され、当院へ来院されました。
初めての猫ちゃんで、2日前の血液検査結果がわからなかったので再度測定したところ、BUN>140mg/dl、Cre22.79mg/dl、K7.3mEq/lというビックリする数値でした。獣医師であれば、『あ、死んじゃうかもしれない!』と思う人がほとんどだと思います。そんな異常値です。超音波検査をすると、左腎臓の
反対の右の腎臓は、萎縮していました。おそらく慢性腎臓病を患っており、頑張って働いていた左腎の尿の流れが障害されたために血液検査の異常が出てきたのだと推測されました。
黄色〇で囲ったものが流れを悪くしていたものですが、超音波画像的には石ではないようでした。状況が非常に悪く、緊急性があると判断し、飼い主さんと相談の上、その日の夜に手術を行いました。
手術はまず尿の出るルートを確保するために、腎瘻(ジンロウ)チューブを設置しました。その後尿管の状況を色々な方法で調べつつ、結果として尿管膀胱新吻合術を実施しました。この方法は、尿管と膀胱それぞれを切開し、その切開部位同士を縫合してつなげるものです。
9ー0というサイズのものすごく細い針のついた糸を用いますので、手術用顕微鏡を用いて実施しました。
術中の大きなトラブルもなく終わり、術後4日目には自分でご飯を食べるようになり、1週間後にはBUN47.3mg/dl、Cre2.84mg/dl、腎盂は
2mmになっていました(入院点滴下で正常)。途中から楽になったのか、私にもスリスリしてくるようになり、すっかり元気になって帰って行きました。
元気になって良かったです。
もし、腎臓の数値が高値であったら、腹部超音波検査と尿検査はしておくことをお勧め致します。原因によって治療が全く異なるからです。
元気が一番です。