暑くなりました。
コロナは増えているようで困りましたね。
健康に気を付けましょう。
さて、タイトルにあるSUBシステムとは、尿管閉塞に対する治療法として、海外で開発されたものです。Subcutaneous Ureteral Bypass Systemの略で、日本語で言うと、皮下尿管バイパスシステムです。主に猫を対象としております。
血液検査で腎臓の数値が高い、と一言に言っても原因は様々です。尿路感染、腎臓癌、尿道閉塞、尿管閉塞などなど色々です。感染であれば適切な内科治療、癌であればステージにもよりますが抗癌剤や手術、閉塞しているのであれば閉塞を解除するために何かをします。原因が違えば治療も違います。このSUBシステムは、犬猫の尿管閉塞に対して2009年から使われています。もう13年も歴史があります。ただ、開発当初はやはり合併症などもあり、色々試行錯誤されて今の安定した方法となりました。
上のレントゲン写真で管がうねうねしていますね。左の腎臓と膀胱がこのデバイスによってつながっています。
画期的な方法でありますが、そもそも輸入しなくてはいけないことや、このデバイスを入れるとおよそ3カ月に1回くらい定期的にデバイスの開通性を保つためのメンテナンスが必要になります。万能ではありません。
できるだけ人工物に頼らずに自分の組織で生活できたら良いと考え、当院では手術用顕微鏡を用いてデバイスを入れずに済む方法も常に検討しています。
尿管のトラブルが起きたときは、だいたいの子が頻回の嘔吐をするように感じます。
単なる胃腸炎ではないことがありますので気を付けましょう。
元気が一番ですね。