11歳の去勢雄のワンちゃんが、頻回の嘔吐と尿が出ないということで受診されました。
腹部の触診では膀胱がパンパンに膨れていました。陰茎先端よりカテーテルを挿入したところ、途中でカテーテルが進まないところがあり、尿道に石(この子の場合は微小な砂粒状のものが尿道の一か所に集合して閉塞していました)がつまっていることがわかりました。応急処置として逆行性に膀胱内に石を押し戻して閉塞を解除しましたが、上のレントゲンの黄色で囲ったところに見えるように複数の大小様々な膀胱結石が存在することと、内科治療に時間がかかると考えられたため、飼い主さんと相談の上、翌日手術にて石を除去しました。
写真は摘出した石です。大きな石を取るだけではなく、この子は砂粒状のものが悪さをしていたので、術中に十分な洗浄を行って全て除去しました。翌日すっかり元気になって帰って行きました。
また、上の写真は別のワンちゃんで摘出した尿管結石です。
腎臓→尿管→膀胱→尿道→外尿道口という順番で尿が作られて流れていきますが、このうちのどこにでも結石は問題を起こします。状況によっては水腎症になって摘出しないといけなくなってしまったり、慢性腎臓病に移行してしまうこともありますので、異常を感じたらすぐに受診しましょう。
毎日良いウンチが出て、おしっこがしっかり出るということは幸せなことですね。
元気が一番ですね。